「そうかそうか。もうカースは魔力量がすごいのか。えらいぞ。
こりゃ将来は近衛騎士か宮廷魔導士か、楽しみなことだな。」
「もう貴方ったら気が早いわ。そんなのカースちゃん次第だわ。
明日からは魔法制御なの。楽しみね。」
今日もご馳走を前に両親が親バカっぷりを発揮している。
「えへへ、頑張るよ。
何になるかは分からないけどね。」
「いいのよ、そんなの慌てなくても。
ゆっくり考えましょうね。」
「ところでエリはどうなんだ? 厳しくやってるんだろう?」
「やってるわよ。母上は本当に厳しいから大変。きっと合格できるんじゃないかしら。」
「ふふっエリったら。錬魔循環もいい感じだし、悪くないわよ。
魔力量はまだまだだからこれからも地道に増やしていきなさい。
でも魔力制御に発動速度はすごいわ。」
「ほほう、すごいじゃないか。さすがイザベルが教えてるだけあるな。
私も嬉しいよイザベル。」
「あなた……照れるわ。エリが努力してるだけよ。才能はあなた似なのよ。」
だから私の誕生日会じゃないんかい!
隙あらばイチャイチャしやがって!
「姉上はやっぱりすごいんだね。
僕は今日初めて水滴(みなしずく)を使ったんだけど、本当に水滴(すいてき)だったよ……」
「何あんた、もう水滴(みなしずく)使えるの!?」
「いや、確かに水は出たけど、ポタッ……ポタッって感じで……」
「それで十分よ! 私だって初めての水滴は学校に行き出してからよ。一年の中頃だったわ。」
「やっぱりカースはすごいなー。僕もがんばろう。」
「あんたもそればっかりね。家事の腕はすごいと思うけどさ。」
両親があの調子なので、兄弟仲良く話が弾んだ。
姉上ももうすぐ領都に行ってしまうのか。
段々と家が広くなるな。