「ふぅ……ん」
僕の手が触れると、莉乃ちゃんが鼻から息を吐き出した。
暗いテントの中で曖昧な輪郭だけを頼りに僕は胸に触れた。
右手で、莉乃ちゃんの左の胸に手を這わせる。
指先が、やわらかい乳房に沈みこむ。
張りがあるのにその融通がきく胸に僕の心臓は高鳴った。
ふわふわ。とした、宙に浮くような感覚が身体を支配する。
「先輩……」
すこし体をよじりながら甘い声を漏らす莉乃ちゃん。
しっとりと胸にも汗をかき、それが潤滑油となっていった。
中学生にしては大きな胸を下から包みこむ。
「あっ、ん」
短い喘ぎ声を出しながら、莉乃ちゃんが体を強張らせる。
僕は焦ることなくゆっくりと胸を撫でた。
中央に鎮座しているであろう突起には、あえて触れない。
「ふぅんっ……あんっ」
テントの中で控えめに響く、幼い少女の声に背中が震える。
左手も使って、今度は両手で両方の胸に触れた。
莉乃ちゃんは棒立ちのまま抵抗せずに、なすがままになっていた。
緊張は解けてはいないが、僕の動きを受け入れている。
羞恥心と必死で戦うように両手を握りしめているのがわかった。
すこし顎をあげ、僕の目を見つめているようだ。
「先輩……奥谷先輩……」
気持ちが高ぶっているのだろう。
語彙を失った中学生は、僕の名前を呼ぶことに終始していた。
正面から男に両胸を撫でられ、体が異様な熱を帯びていく。
火照った体を冷やすためのものは、ここにはない。
暑いテントの中。そこにいるのは、若い男女だけ。
このままヒートアップしていけば、いずれは熱中症になりそうだ。
「莉乃ちゃん……」
僕は手を離すと、着ていたTシャツを脱いだ。
は。と、莉乃ちゃんが息を飲むのがわかった。
「下も、脱ぐけどいい?」
許可は必要ないのかもしれない。
そんなことをきかれ、どう答えていいか莉乃ちゃんは迷っていた。
「えと……その……わかりません」
裸の莉乃ちゃんが下をむいた。
僕はなにも言わず、ズボンとトランクスを脱いだ。
気配でわかったのか、莉乃ちゃんが僕の顔を見る。
「先輩……」
「僕も裸だ」
「……はい」
勃起はしていないが、僕の息子がテントの中をさらに暑くしたようだった。
暗闇に慣れてきた目が、ぼんやりと獣の存在を感知する。
「莉乃ちゃん」
「はうっ」
僕は莉乃ちゃんを抱きしめた。
一瞬だけ体を強張らせたが、莉乃ちゃんはすぐに力を抜いた。
肉棒が中学生の柔い肌に触れ、刺激に震える。
すこし汗ばんだ体と体が触れると妙な密着感が生まれた。
浅い呼吸をくり返す莉乃ちゃんの温度が肌を伝ってくる。
緊張。羞恥。焦燥。あらゆる感情を共有できるようだった。
「んっ……あ」
僕は莉乃ちゃんの背中に手を回し、ゆっくりと撫でた。
両手を上下させ、汗を伸ばすように動かす。
むにゅり。と、僕の胸板に張りつく莉乃ちゃんのおっぱい。
「はぁ……んっ……」
艶のある声に変化しはじめていた。
顔を僕の肩にこすりつけ、マーキングする猫のようだ。
両手のてのひらに集中すれば、その産毛の一本一本も感じることができる。
生きている。
僕が抱きしめている女の子は、たしかに生きている。
十年とそこそこしか生きていないとはいえ、その身体はたしかに女のものだった。
「やあぁ」
と、莉乃ちゃんが体をよじった。
僕が右手で莉乃ちゃんのおしりを触ったからだ。
思った以上の肉感に興奮がさらに高まる。
ちょっとしたきっかけで、二人ともに鼻血を出しそうだった。
ダムが決壊するのを恐れるように、僕は徐々にコトを進める。
なんの汚れもない中学生のおしりをたっぷり時間を使って味わった。
「はっ、んっ……やぁ」
右手で撫でる。
左手で撫でる。
背中を何度も上下に往復した。
胸を押しつけあい、合間でキスをくり返す。
汗が噴き出て、さらに二人が一体となっていく。
艶のある声を莉乃ちゃんが漏らす度にテントの中は暑くなっていった。
「しゅごい……んっ……あっ」
ただ抱きしめ合って、キスをしているだけだ。
それでも性的な興奮は高まっていく。
すぐにでも押し倒し、自分の思いのままにしたい衝動を抑えるのに必死だ。
「先輩……んっ、あああんっ」
もう少し。
もう少しすれば、莉乃ちゃんの中でなにかが芽生えそうだった。
時間をかけ、ゆっくりと導くことで、本能が理性を壊し表に出てくる。
「んっ……あっ、やっ、ちゅ……んっ、んちゅ」
キスをして、抱きしめ合う。
言葉の交流はなくなり、体と体で気持ちを確かめる。
過去を思い出せなくなり、未来を想像できなくなっていく。
あるのは、いま、このときだけ。
巨大な僕の肉棒は、莉乃ちゃんの滑らかな肌にふれるだけで固くなっていった。
興奮からの膨張ではなく、莉乃ちゃんが開花したときにむかえられる準備をしているのだ。
太ももを撫で、腰にも手を這わせる。
「はぁんっ……やぁんっ」
汗が混じった唾液はすこし苦くて、しょっぱい。
ぬめぬめ。と、体と体を擦れ合わせれる。
ぎこちなかった莉乃ちゃんの手が、しっかりと僕の背中を包んだ。
細い腕と指が、すこし食いこんでくる。
「んんなっ……あっ、先輩、先輩、先輩」
瞬間、莉乃ちゃんの中でなにかが弾けた。
早熟の中学生は一気に雌としての本能を体にまとわせる。
「好きっ……ああんっ、もう、なんか……好きぃ」
体を強く、僕に押しつけ激しく喘ぐ。
「先輩、先輩……っ」
早く処女を捨てて、美亜たちの仲間になりたい。
僕と体を交わうことでちゃんと彼女になりたい。
そんな気持ちはもう消え失せた。
いまはただ、目の前にいる僕を必死で求める雌になる。
「莉乃……」
「ああんっ、んんんあっ……好きぃ、好きぃ、好きぃ、ああああんっ」
僕が莉乃ちゃんの陰部に手を触れると、歓喜の声をあげた。
「触って、くださいっ……莉乃のこと、もっと触って」